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勇退する理事⻑の思い〜ザ・パークハウス本厚⽊タワーの未来〜

BORDER5を最速で認定されたザ・パークハウス本厚⽊タワーでは、理事⻑が 2年の任期をもって勇退する予定である。本コラムの後編では、短期間で⼤きな改善を達成した理事⻑が、どのように体制を引き継ぎ、どのような状態で次の世代へバトンを渡そうとしているのかに焦点を当てる。

理事長だった2年間の振り返り

應⽥: 理事⻑として 2 年間を振り返り、無事勇退される感想をお聞かせください。苦労と達成感のバランスはいかがでしたか。

桃井: 理事長就任にあたり、ロードマップを策定し、戦略的に進めました。初期に集中的に設計したことで、後半は負荷が急速に下がり、組織として回る状態を作ることが出来ました。仲間が増えたことも⼤きな⽀えでした。防災訓練や年中⾏事などで住⺠の理解を得ることができ、実績が信⽤を⽣み、後半の重い議題も住民が納得する形で通過させることができました。

実際に1年に渡って目標を定めて進捗確認を行うために利用されたロードマップ。これも常に1ページにまとめてある

引き継ぎとやり残したこと

應⽥: 理事会に⼊られる前の経験についてお聞かせください。総会での⽴場から理事⻑へ移⾏された経緯は。

桃井: 4期で初めて理事となりました。以前は総会で質問する⽴場でしたが、理事会のブラックボックスを変えたいと思い、⽴候補しました。⽴候補前は興味が薄かったですが、4期で修繕積⽴⾦の不⾜に気づき、⾏動を起こしました。

應⽥: ご家族の理解や、時間管理の⼯夫はどのように。

桃井: PTA活動のようなものと理解してもらいました。家族の協⼒が不可⽋でした。

應⽥: 後継者育成について、具体的な引き継ぎをお聞かせください。

桃井: 防災安全委員会と企画運営委員会は、後継者にスムーズに引き継げました。来期は専⾨委員として残り、⻑期修繕委員会と資産運⽤委員会を⼀住⺠の⽴場でサポートします。意思決定の主体は次期理事会に委ねて、必要な場⾯で知⾒を提供する⽴場です。標準管理規約に沿った運営なので、規約や細則を読み解けば対応可能です。仲間が増えた今、体制は安定しています。アグレッシブな委員が起案を進めています。

應⽥: やり残したこととして、どのような点を挙げられますか。

桃井: 法⼈化が挙げられます。理事⻑の責任を実感し、法⼈化のメリットを感じる理事が次期以降で増えてくれれば幸いです。また、電⼦ツールの導⼊で、双⽅向コミュニケーションを強化されると良いと思っています。更に、60 年の超⻑期修繕計画も、さくら事務所と連携して進めていただければと思います。

管理組合の法人化の必要性とは

應⽥: 理事⻑の⼼理的負担の軽減に有効な法⼈化の必要性について、詳しくお聞かせください。

桃井: 理事⻑の善管注意義務を法⼈に分散し、個⼈に過度な責任が集中しない仕組みを作ることが、管理組合の成熟につながると考えています。抜けた後の⽅が、客観的に説得しやすいと思います。マンションの持続可能性を⾼める鍵です。理事⻑経験者が増えると、理解が進むでしょう。

應⽥: 得意分野はコミュニティ形成でしょうか。その思いをお聞かせください。

桃井: はい。本来は防災・コミュニティを主導したかったですが、修繕・資金を担いました。イベントを通じて住⺠の絆を強めた経験が、財産です。長く関わることで成熟していくと考えます。

應⽥: 総会に出席して質問する⽴場から理事会へ移⾏された感想は。

桃井: 理事会の情報開⽰の不⾜に起因する不明瞭さを変⾰できました。信頼が議案通過の基盤で、住⺠の理解を深めることが重要だと実感しました。総会では質問を繰り返していましたが、今は理事会だよりやデジタルサイネージ、ホームページ等の広報で透明性を⾼めています。

應⽥: ⼿間を惜しまない姿勢が印象的ですが、その理由は。

桃井: 初めに仕組みを構築すれば、後が楽になります。先⼈のノウハウを活⽤し、効率的に進めました。失敗談が特に参考になりました。

應⽥: RJC48のような団体の役割について、お聞かせください。

桃井: 失敗事例が豊富で、数倍速での進捗も可能になったと思います。マンション管理のコミュニティとして、貴重です。

應⽥: 今後のマンション管理の展望をお聞かせください。

桃井: 住⺠の理解をさらに深め、持続可能な体制を築きたいです。法⼈化とデジタルツールの導⼊で、未来を明るくし、勇退後もマンションの繁栄を⾒守ります。理事経験者を増やし、責任共有を促進していこうと思います。

まとめ

本事例が⽰しているのは、特別な才能や偶然による成功ではない。評価項⽬を読み解き、組織と情報を設計し、信⽤を積み上げる。その積み重ねが、最速認定と安定した引き継ぎを同時に実現した。

マンション管理は、誰かが頑張り続けることで成⽴するものではない。頑張らなくても回り続ける状態を、いかに早く作れるか。本インタビュー記事がその⼀助となれば幸いである。

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