マンション管理

レクセルガーデン北綾瀬の認定ポイントについて

2025年6月、レクセルガーデン北綾瀬がBORDER5の新たな認定マンションとなりました。「レクセルガーデン北綾瀬」は、BORDER5で認定されたマンションのなかでは、経堂パーク・マンション(14戸)に次ぐ戸数(28戸)の小規模マンションです。今回のコラムでは「レクセルガーデン北綾瀬」について、BORDER5掲載に至った管理力のポイントについて解説します。

レクセルガーデン北綾瀬・マンションページ:https://www.border5.com/mansion/818

今回認定になった「レクセルガーデン北綾瀬」について

レクセルガーデン北綾瀬の特筆すべきポイントは、初回の大規模修繕工事前に大きな問題に直面していたところから、現在管理良好マンションとしてBORDER5に認定されている点にあります。その大きな問題とは初回の大規模修繕工事前に修繕積立金が2000万円足りないことでした。

 

 

現在多くのマンションの顕在化した問題として取り上げられることが多くなった修繕積立金不足の問題ですが、まさにレクセルガーデン北綾瀬の事例は、多くのマンションにとって参考になる事例ではないでしょうか。

 

ぜひ、掲載に至った評価ポイントや、レクセルガーデン北綾瀬の取り組みについての詳細をご覧ください。

レクセルガーデン北綾瀬の評価点

レクセルガーデン北綾瀬の評価点は

 

・組合運営力 10点

・メンテナンス&資金力 10点

・コミュニティ&住み心地力 8点

・防災力 8点

 

特に組合運営力とメンテナンス&資金力が優れている評価となりました。

◎掲載に至ったポイント

・理事の任期が2年で、毎年理事定数の半数を改選とすることで理事会の継続性を確保している

・役員の理事会への出席要件を配偶者や一親等の親族まで許容し、また外部の第三者の就任も可能にしており、将来的な高齢化などによる担い手不足に対応している

・管理組合の未収金の割合が低い(年間収入で除した場合は1%未満)

・リフォーム工事について詳細に規定し、トラブルを未然に防ぐ工夫がある

・竣工図書はデータファイルなどで有効に活用できる状態で容易に活用できる

・ハザードマップなどでマンションの災害リスクを確認の上、長期プランで損害保険に加入している

・利益相反取引の防止に関する定めがあり、管理組合の健全な運営に寄与している

評価ポイントについての詳細

レクセルガーデン北綾瀬の管理運営は、小規模マンションとして持続可能な運営をするための工夫が管理規約等で反映されています。

 

例えば将来的な住民の高齢化に加え、小規模マンションとして柔軟な理事会運営を可能にするために、すでに管理規約には、理事会の役員の就任要件や理事会の出席要件を配偶者や一親等の親族まで広げています。それに加えて、外部の第三者の就任も可能にすることで、役員のなり手不足を解消し、柔軟な運営を可能にするための工夫がされています。

 

また、理事の任期は1年ではなく2年に設定されており、毎年理事の半数が改選される仕組みとなっています。このようにすることで、理事会内での継続性が確保されている点も大きなポイントです。

逆境から管理良好マンションに

理事長がレクセルガーデン北綾瀬のマンション管理について問題意識を持ったのは、初回の大規模修繕工事をする際、修繕積立金が2000万円足りなかったことからでした。理事長自身もそれまでマンション管理が“ジブンゴト化“されていなかった経験から、レクセルガーデン北綾瀬に住む28戸の居住者と共通認識を持つために、まず現状を共有するところから改善のきっかけは始まりました。

 

理事長が意識したのは、理屈だけでは通用しない部分への対応でした。そのため、気持ちと理屈のバランスを考慮しつつ、収支改善策を慎重に練っていきました。単に住民の負担額を増やすだけではなく、改善可能な支出項目を徹底的に洗い出し、実行に移すことで工夫を重ねました。

 

例えばマンションの照明をそれまでのモノからLEDタイプに変えるだけでも大きな支出削減につながりました。さらに現状のマンションの状況を把握した後、一般的な大規模修繕工事の周期と言われる12年から15年に周期を伸ばすことが出来ました。12年と15年では60年後には1回分の差が生まれるため、大きな収支改善効果が見込まれます。さらにエレベーター保守業者の変更も行いました。

 

これら支出を減らすための工夫と、住民の協力もあり、まさかの修繕積立金が2000万円足りないところから、管理良好と認定されるマンションにレクセルガーデン北綾瀬は変化をしました。もちろん今回の小規模マンションのケースは、大規模マンションとは相容れない部分もあるかもしれませんが、支出の削減方法などは参考になる点もあるのではないでしょうか。
 
YouTubeもぜひご覧ください。
 

最後に

レクセルガーデン北綾瀬は、小規模マンションならではのコミュニティ形成を通じて、修繕積立金不足を解消し、管理良好マンションとして、今後の管理運営を見据えた対応をすでに行っています。理事会が担い手不足にならないために、マンションの区分所有者ではない第三者が理事や監事に就任できる規約が設けられており、この仕組みは将来的に非常に有用であると考えられます。

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