管理良好といえるマンションは、世の中のごくわずかです

管理上々!

2020.02.26 チェックポイント

マンションは管理を買え、決断を左右するのはこんなポイント

マンションは管理を買え、決断を左右するのはこんなポイント

「マンションは管理を買え」と言われますが、これまで長いこと言葉だけが独り歩きしてきたようです。

実際、マンションの管理状況で選べるような、その管理力を公開できるほど管理に自信のあるマンションは世の中のほんの一握り。

お問合せいただく方の声を聞いても、どちらかというと「管理状況の悪いマンションを選ぶまい」とする方がまだまだ多いように思います。

さくら事務所では、中古マンション購入検討者の方に向け、マンション管理インスペクションというサービスを展開しています。

建物の劣化状況や不具合の有無を確認するホームインスペクション(住宅診断)同様、その管理状況についても、専門家が調査を行うのです。

では、実際に管理のどんなポイントがチェックされているのか?どんな管理状況が購入の決断を左右するのでしょうか?

さくら事務所のマンション管理士が解説します。

マンション管理インスペクションで発覚するこんな事例

その1、理事会の活動状況がわからない

マンション管理インスペクションで度々遭遇するのが、理事会の運営が全く見えないマンション。

理事会は、管理会社の業務のチェックや、総会で決定した予算に基づく建物の修繕などを行う、重要な役割を担っています。

多くのマンションでは、理事会は毎月開催とされていますが、小規模マンションや投資用に購入している方の多いマンションなどでは、開催が不定期というところもあります。

円滑な管理組合運営を行うためには、少なくとも2ヶ月に一度程度の開催が必要と思われますが、中には理事会の開催は3か月に1回というケースもあります。

マンション管理インスペクションサービスでは、理事会の内容について議事録を確認させてもらいますが、「そもそも議事録が作成されていない」「議事録の内容は開示出来ない」といったマンションもあります。

個人情報などの理由があるにしろ「議事録を開示できない」または、「読んでも審議の経緯が読み取れない」といった場合、そこに安心感を持つことは難しいでしょう。

標準管理規約に準拠した規約の場合、半数が成立要件となっていると思いますが、「理事会出席者が半数に満たず、不成立(流会)が続いている」といった点もマイナスポイントと言わざるを得ません。

その2、竣工図はどこ?重要書類の保管状況

建物の維持管理に欠かすことができないのが、建物の設計図書(竣工図)。

マンション標準管理規約第32条によれば、管理組合は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理のため、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理を行うことが規定されています。

ですが、残念ながら設計図書(竣工図)の所在がわからないケースもあるのです。

また、保管されていても、汚れていたり、不鮮明で詳細を読み取ることができないこともあります。

「復元することができない」「復元できたとしてもとても高額な費用が必要になる」といったケースも少なくありません。

所在が不明、復元できないなどの場合、現状の建物を調査することにより図書を作成する方法もありますが、精度の高い図面を作成することは困難なことも多く、費用も高額になります。

そもそも、本来あるべき建物の設計図書がないということで、「建物の維持管理への意識があまりないマンションなのでは?」と管理へに意識の低さも見て取れるかもしれません。

その3、長期修繕計画の見直しが全くされていない?

こちらもマンションにとって重要な書類「長期修繕計画」。

「修繕積立金、少ない気がするけど、他にも何か問題があるんじゃないか?」という不安からマンション管理インスペクションにお問い合わせをいただくこともあります。

「修繕積立金」や「長期修繕計画」については、これからマンションを購入しようという方にも、少しずつその重要性が知られるようになってきています。

そんな「修繕積立金」や「長期修繕計画」で問題になるのが、こんなこと。

・国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の目安を大きく下回っている
・長期修繕計画と実態に即していない(計画はあるが修繕されていない等)
・大きな一時金徴収が予定されている
※一時金自体が悪いものではありませんが、計画通りに徴収できるかわかりません
・将来的な不足が予測されるにも関わらず、修繕積立金の見直しがされていない
・長期修繕計画書そのものがない、もしくは計画はあっても修繕積立金の資金計画がない
・修繕積立金の見直しが予定されていたものの、実際には何度も見送られている

築年数によっては、まだ新築時から見直しがされていないというケースもあるでしょう。

ですが、築年数が古く、居住者の高齢化も進んでいるマンションでは、将来的な不足が予測されても、段階増額が承認されない(金額の見直しに反対されてしまう)可能性もあります。

お金の問題はマンション管理にとって重要な要素。

ここに問題があるようなマンションは、慎重に検討しましょう。

どこまで取り寄せられる?どこまで見せてくれる?

マンション管理にまつわる書類
これまで、書類からわかるマンション管理の実情について解説してきましたが、実際はこういった情報を開示してくれないケースも多数あります。

通常、売買の仲介業者が提出する書類は、重要事項説明書や管理規約といったもので、総会資料や議事録、長期修繕計画書までは含まれていないことも。

というのも、仲介業者の方は売買が専門ですから、マンションの管理にまで詳しい方はまだまだあまりいません。

それに、もし議事録を取り寄せて良くないことが書いてあれば契約に不利に働きますから、積極的には情報収集をしてくれない傾向にあります。

「建物の劣化状況を知られたら契約にならないかもしれない」「契約までに時間を引き延ばされるかもしれない」とホームインスペクション(住宅診断)を嫌がる仲介さんがいらっしゃるのと同じような事情です。

実際、さくら事務所がマンション管理インスペクションを行う上でも提出を断られるケースは多々あります。

ただ、通常、仲介業者は重要事項説明などを作成するために、そのマンションの管理に関する調査報告書をそのマンションの管理会社に依頼します。

最低限のものは揃えなければならないのですから、その際、一緒に長期修繕計画書や議事録といった書類も取り寄せてもらえないか?お願いしてみてもいいでしょう。

ごくまれに、公式サイトでマンション管理にまつわる詳細な情報を公開しているような、それこそ管理力に自信のある管理良好マンションもありますが、まだまだ多くはありません。

「マンションは管理を買え」じゃあ、買ったあとは?

「マンションは管理を買え」とは、そもそもマンションはその管理状態をしっかり確認して買いましょう、という意味ですが、では管理良好なマンションを買った後はもう安心なのでしょうか?

購入してからは、ご自身もマンションという資産を共有する「マンション管理組合」の一員。

自分がマンションを購入したときと同様に「(管理力という点でも)選んでもらえるマンション」であり続けるために、マンションの資産価値を維持できるよう、積極的にマンション管理組合の活動に関わっていくことをお勧めします。

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