マンション管理

コロナ禍も「特別なことはなにもなし!」その背景にあったのは?

新型コロナ感染拡大で人々の生活が大きく変わったこの1年。管理良好マンションではどのような対応されたのでしょうか?

 

今回は、今年3月にBORDER5に掲載となった、ザ・タワーレジデンス大塚の副理事長を務める金井さんにお話を伺いました。

 

他のマンション理事とも交流のある副理事長が考える「管理良好マンションに欠かせないもの」や、2年目のアフターサービスの活用、数年後に迎える大規模修繕工事についてもお話いただきました。

若い単身世帯から高齢の方まで幅広い年齢層ゆえのお悩みも・・・

ザ・タワーレジデンス大塚は、大塚駅徒歩3分とアクセスに恵まれながら、周囲には公園や学校などが点在した落ち着いた環境の街にある総戸数201戸、23階建てのタワーマンションです。

 

都心のアクセスに恵まれた立地と落ち着いた住宅環境、更に間取りも単身向けからファミリー向けと幅広いことから、永住意識のあるファミリーや若い単身世帯やご高齢の方まで幅広い世代の方がお住まいです。

 

大型ファミリー物件のように永住意識の高い方が多い、また、都心湾岸エリアのように投資用の方が一定程度以上いるというわけでもなく、更に組合員の年齢層も幅広いとう点で、様々な問題解決の方向性で合意形成が取りづらいという傾向がありました。

 

それゆえ「他のマンションが抱える問題のどれもが、将来うちのマンションでも当てはまる可能性があると思います」と金井さんはおっしゃいます。

新型コロナ感染拡大、どう対応されましたか?

BORDER5:今年は新型コロナ感染で人々の生活にも大きな影響がありました。貴マンションではどのような対策をされたのでしょうか?

 

金井氏:特別なことはしていないつもりです。インターホンや押しボタンといったエントランスからエレベータ導線内の消毒といったところでしょうか。

 

緊急事態宣言の際には、来客用ゲストルームや、パーティールームなどの共用部の一部閉鎖しています。単純に消毒液が市場から消え、入手が難しくなったこと、清掃の人員配置が難しくなったためです。安心して利用できる環境を整えられないのであれば閉鎖しましょう、ということになりました。

 

BORDER5:今年、総会や理事会はどのように開催されたのでしょうか?

 

金井氏:総会は例年、マンション1階のエントランスで開催しており、今年も換気に気を付けながら同様に開催しました。

 

むしろ理事会開催の方が問題でした。通常は、パーティールームで開催していましたが、密を避けるため、総会同様にエントランスで十分な換気を取りながら、お互いに距離を保って開催しました。一部理事には高齢でインターネットに不慣れな方もいたため、オンラインでの開催は考えませんでした。

 

BORDER5:コロナ禍においてもスムーズな組合運営がされたと伺っていますが、これまでにやってきてことが活かされた、とお感じになるようなことはありましたか?

 

金井氏:特にありません。1つずつ問題を解決していった結果、今、全体としていい方向に来ているかな、とは思いますが、何か特別なことをやってきたわけではありませんから。

管理に熱心に取り組むようになったきっかけ

BORDER5:管理良好マンションの理事ほど、皆さん「特別なことはしていない」とおっしゃいますが・・・。金井様はどのようなきっかけで管理に熱心に取り組まれるようになったのでしょうか?

 

金井氏:新築で入居した当初から「自分たちの資産になったので、自分たちで守らければいけない」という気持ちはありました。

また、管理会社や販売会社の対応で、特に長期修繕計画といった大事な話において、納得できない、疑問に感じる対応があり、一層その気持ちは強くなりました。

 

BORDER5:他のマンションの理事さんとも交流があるようですね。管理がうまくいっているな、と思う他のマンションの共通点やポイントはどこにあると思われますか?

 

金井氏:最初の10年くらいのマンションの管理の方向性が決まるまでの間、「自分で何とかしないといけない」「自分の時間を削ってでも勉強して・・・」という熱心な方がいるかいないかで大きく違うと思います。

 

もちろん仲間もいるにこしたことはないですが、逆に「何か得することがあるから理事をやっているんじゃないか?」と心無い言葉を掛けてくる人もいます。

 

それでもやはり、一人でも二人でも継続的に理事会を引っ張る人がいるマンションはうまくいっているように感じます。

タワーマンションは新しい住居モデル、最新情報を把握する努力も

金井氏:過去に理事の経験がある方など、どうしてもその頃の知識や経験に基づいて考えてしまう傾向があります。ですが、タワーマンションというのは全く新しい住居モデルだと思っています。

 

これまでのマンションと同じ仕組みではうまくいかないことも出てくるでしょう。大規模修繕工事の足場1つとってもそうです。新しいモデルならば、それに対応するためのサービスや解決策があるはずなので、過去の経験にこだわらず、最新の状況を常に把握しておきたいと思います。

 

経験から頭を凝り固めないで、勉強していくことが重要だと思います。

2年アフターサービスの活用について

BORDER5:ザ・タワーレジデンス大塚では、2年目アフターサービスの点検をさくら事務所にご用命いただきました。近年こそ、2年目アフターサービスのための点検を外部に依頼することはそう珍しいことではありませんが、理事会も組合も発足して間もない時期に外部への点検の依頼まで行うのは、当時は相当ハードルが高いと思いますが、どのような経緯だったのでしょうか?

 

金井氏:理事のみんなが積極的にやろう、と考えていたわけではありませんでした。やってみてもいいんじゃない、といった感じの方もいました。

 

うちのマンションの場合、引き渡し時の内覧会でさくら事務所を利用していた組合員も多く、それもあって発注先は反対者も少なく決まりました。

 

逆に入居して間もないこの時期に、一定程度信頼できる業者とのつながりがなければ、1から業者を探し声を掛けて見積もりを取って違いを比較検討して・・・となりますので、2年目でここまでやるのは相当難しかったと思います。

 

BORDER5:最近では、2年目アフターサービスを積極的に活用とする組合も増えています。

 

金井氏:新築で入居する段階で、アフターサービスという仕組みがある、という情報がある程度、耳に入る状況になっているのではないでしょうか?それもあって、一部で意識が高まっているのかと思います。

 

ただ、実際に外部に点検を依頼するにも、マンション共用部の点検など一般の人が相場がわかるものでもないので、他のマンション理事から話を聞くなどして、参考にさせてもらう部分もありました。

数年後に迎えるであろう大規模修繕工事を前に

BORDER5:今年9年目を迎えますが、今後取り組んでいきたいことはありますか?

 

金井氏:修繕計画を見直したいと考えています。2年目アフターサービスを活用したこともあり、新築時の不具合や施工不良はその時点でリセットされているはずで、それを踏まえ、いつ頃大規模修繕工事を行うべきか?また、その後も、周期の伸長は可能なのか?を検証したいと思います。

 

会社によって長期修繕計画にも違いがありますが、うちのマンションの場合、機械式駐車場の消火設備等、日常修繕の一環としてみているものがあるので、その辺を修繕計画に反映させ、適切なメンテナンスの時期も把握しておきたいです。

 

計画を引き直した後で、見直しができてない補修費用などを調整し、削ったところは削ったうえで、修繕積立金の見直しを考えたいと思っています。

 

次に誰かにバトンタッチしてもある程度管理がうまくいくような、計画だけでもかたちにしておきたいと思いますね。

背景にあったのは1つずつ着実に問題解決してきたこれまでの実績

コロナ禍にあっても「特に特別なことはしていない」ということでしたが、その背景には「自分たちの資産である」という意識のもと、1つ1つの問題を解決してきた実績がありました。

 

有事にあってもスムーズな組合運営ができたのは長く培ってきた管理力という財産のなせることだったのかもしれません。

 

お住まいのマンションの管理力が気になるという方、まずはさくら事務所のマンション管理ドックサービスをご利用ください。

 

編集:BORDER5編集部
監修:さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

 

マンションの専門家が第三者としてマンションの管理状況をチェックし、単なる評価ではなく、管理におけるウィークポイントを明確にし、改善に向けてのアドバイスを行います。

 

「今何をすべきか?」「何から取り組むべきか?」「他マンションでやっているのに、うちで着手できていないことある?」そんな風にお考えの理事さんはぜひお問合せください。

 

診断結果によっては、本サイト【管理良好マンション厳選サイトBORDER5】に掲載も可能です。

 

編集:BORDER5編集部
監修:さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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