マンション管理

中古マンション購入時、修繕履歴からわかる管理状況とは?

中古マンション購入を検討される際、築年数のたった物件ほど、過去の修繕履歴は気になるのではないでしょうか?

 

建物を長く維持するために必要な修繕が計画的に、資金的に無理のないかたちで適切に行われているのか?は長くお住まいになるためには重要なポイントです。

 

今回は、マンション修繕履歴の重要性とそこから読み取れるサインについて、らくだ不動産のコンサルタントが解説します。

共用部の修繕履歴からはなにが判断できる?

マンションの共用部の修繕、主に大規模修繕工事について、購入前に確認しておくことは重要です。

きちんと修繕をしているか?していないか?も重要な要素ですが、それ以外のことも修繕履歴や書類から読みとることができます。

 

【ケース1】修繕積立金は潤沢、でも修繕履歴があまりない

 

修繕積立金は潤沢にあるにもかかわらず、築年数を考えても修繕の履歴があまり残っていないというケース。修繕工事実施前、工事を決めていくプロセスの中で何かトラブルが起きている可能性も考えられます。

 

例えばマンション内で特定の方が工事に納得できず合意にいたらなかった、もしくは住民が建物の維持管理にあまり関心を持っていない、というケースも考えられるのです。

 

修繕履歴1つだけを取って組合運営の状況を把握することはできませんが、組合運営がスムーズにいっていない可能性がある、という危険信号をキャッチすることができるのです。

 

【ケース2】修繕は活発に行わえているが、修繕積立金が貯まっていない

 

また、逆のケースもしかり。修繕積立金は貯まっていないが、修繕は活発に行われているというパターン。

 

予防保全の観点から劣化が進行する前に、修繕をしていくこと自体悪いことではありませんが、問題は費用との兼ね合いです。

 

そもそもの修繕積立金の金額設定に問題があるケースもありますが、後々の修繕積立金を考慮せずに、その時の残高で賄えるからといって、管理会社の提案をすべて鵜呑みにして(不要不急な工事の提案が含まれていることも珍しくはありません)工事を実施してしまっているかもしれません。

 

こちらも先ほど同様に、住民の建物維持管理やマンション管理組合の財務状況にあまり関心がない、という可能性があります。

 

このままいけば、修繕積立金の大幅な見直しが予測されるばかりか、住民の世代によっては、急激な見直しに耐えられない世帯なども出て、足並みを揃えられず見直しすることも難しい、という状況が予測されます。

 

マンションの修繕履歴は、重要事項説明の中でも触れられますが、重要事項説明について確認できるのは契約の直前です。

 

過去にお客さまには、他社で紹介された物件を購入直前、そこで初めて修繕についてしっかりされたという履歴がないことが判明し、契約自体見送ったという方もいらっしゃいました。

物件選び同様に、エージェント選びも重要です

おおむねほとんどの仲介会社では、マンションの売却依頼を受けた際に、この修繕履歴を取得することになっていますので、仲介会社に問い合わせすれば、確認することができるでしょう。

 

ですが、その内容を読み取れる仲介エージェントは多くはありません。入手しこそすれ、購入希望者の検討材料となる資料だと思っているのか?ただの添付書類の1つとして扱っているのか?でその差は大きく異なります。

 

もし、マンションの管理を重要視してマンションを購入したいと考えているなら、修繕履歴など管理状況の判断材料となるものについて、一度エージェントに質問してみるといいでしょう。

 

不動産選びは物件だけでなく、エージェント選びも重要です。自分が重要視しているポイントについても知識や理解があり、サポートしてくれるエージェントに依頼することをお勧めします。

 

また、管理状況をしっかり把握して中古マンション購入を希望するには、修繕の履歴も判断材料の1つにすぎません。

 

総会の議案書や議事録、管理規約や細則、管理委託会社との契約など、よりできるだけ正確に管理状況を知りたいという方は、さくら事務所のマンション管理インスペクションをご利用ください。

 

マンション管理士が書類上からわかる管理状況をご報告、購入の判断材料の1つとしてご利用いただけます。

 

編集:BORDER5編集部
監修:さくら事務所マンション管理コンサルタント(マンション管理士)

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