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2019.09.04 管理力up!

マンションの防水の保証、2年目と10年目の違いは?

マンションの防水の保証、2年目と10年目の違いは?

昨年の台風20号で兵庫県の14階建てマンションの屋上部分が幅数十メートルにわたってはがれ、真下の駐車場に落ちるという衝撃的なニュースがありました。

ニュース映像を見る限り、屋上に敷設された防水材がはがれたようですが、もし通行人の上にでも降ってきたら、人命に関わるような事故になってでしょう。

マンションの屋上は、建物を雨漏りから守る重要なポイントであり、防水の状態は建物の寿命を左右するといってもいいくらい、メンテナンス上も最も重要な部位の一つです。

また、施工時にきっちりとした施工をすることはもちろんですが、防水材の接着不良は、経年劣化によって起こることもあるので、定期的な点検、必要に応じて修繕・改修することが重要です。

防水のメンテナンスを考える上で大事なポイントが2つあります。

それが ①売主のアフターサービス ②品質確保の促進等に関する法律(品確法)

この2つの違いや、無償補修の活用の上での注意点をさくら事務所のマンション管理士が解説します。

アフターサービス自体は10年でも大事なのは2年目!

新築分譲マンションでは、竣工引渡し後10年間にわたり売主のアフターサービス保証が、受けられることが一般的になっています。

アフターサービスの内容は、分譲会社によって異なりますが建物と設備に分けて、不具合が発生した部分や、不具合の状況によりアフターサービスの期限を、分譲引渡し後、1年間・2年間・5年間・10年間などに分類しています。

この期間中に対象項目に対する不具合を申告すれば、専有部、共用部ともに、無償で補修してくれるのです。

2年目に切れる主な保証項目の一部がこちらです。

・モルタル面、タイル貼り、石貼、レンガ貼等の亀裂・浮き

・コンクリート躯体の亀裂・破損

・塗装・吹付の剥がれ

・屋根や屋上、バルコニーの排水不良や膨れ

・手摺の取付不良

・植栽の枯損・倒木

・駐車場やアプローチの陥没・不等沈下・亀裂

特に2年目は、他の期限に比べても対象となる項目が多く、特にトラブルになることが多い外壁タイル等もこのタイミングで保証は切れてしまう事が多いです。

耐震性、耐久性に関わる部分だけ、「品確法」の保証

品質確保の促進等に関する法律(品確法)によって保証されるのは、主に「構造耐力上主要な部分の不具合」「雨漏り」の2つです。

いずれも、耐震性や耐久性に大きく影響する不具合で、修理に多額の費用(数百万円~数億円単位になることも珍しくない)が必要になりやすいことから、法律により、売主に義務付けられているのです。

(ちなみに、売主のアフターサービス10年目はちゃっかりこの品確法の規定をそのまま流用していることが多く、これってそもそもサービスなのか・・・という声もあります)

注目すべきは【10年以内に売主に通知した不具合】だけが保証されることです。(※)

1年目2年目の早期のアフターサービスの場合、管理会社や分譲会社が期限のアナウンスをしてくれるというケースもありますが、この10年目の場合、特にアナウンスされることはありませんので、自分たちで気をつけておかなければなりません。

ですが、これらの保証を受けることになるのは、室内への漏水や構造に関する深刻な不具合ということになります。

※ 厳密にいえば、竣工引渡し後10~20年までであれば民法上の不法行為責任を追及することも可能ですが、それにはマンション管理組合にその瑕疵の立証責任があるため、専門家の力も借りるなど大変な労力を必要とし、ハードルも高くなります。

早期のアフターサービスが切れたら、雨漏りするまでは保証対象外

「10年まで保証してくれるのなら、2年目の防水のふくれや排水不良などは、気にしなくてもいいんじゃない?」と思うかもしれません。

ですが、2つの大きな違いは「雨漏りの有無」です。

10年目では室内で雨漏りが確認されないと、保証が適用されないのです。

2年目であれば、漏水を起こす前のこういった、「防水の膨れ」「はがれ」「ひび割れ」などもアフターサービスの対象として、無償で補修してくれますが、以降はこれらを指摘しても、実際に室内に雨漏りが起こらないと補修してくれないのです。

むしろ、大規模修繕工事前の調査でこれらの事象が発覚し、管理組合の負担で結構な金額の修繕積立金を使って補修、しかも工期も掛かって・・・という事態も。

また、いったん漏水すると下階に被害が及ぶだけでなく、漏水箇所を特定することが困難で、その調査と補修にもコストがかかります。

いずれ、自分たちの修繕積立金で補修することに・・

様々な不具合、劣化、施工不良への売主の無償対応は2年で終わり、と覚えておくといいでしょう。

ここで補修しない場合には劣化が進行し、特に防水はその後室内に漏水が起きない限りそのままで自分たちの修繕積立金で直すことになりますので、短期保証をきちんと有効活用しましょう。

これからの台風や秋の長雨のシーズンは、普段は降らないような量の雨が集中的に降ることがあり、これまで判明しなかったような不具合も発覚するかもしれません。

専有部のバルコニー含め、注意してみてみるといいでしょう。

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